生活地とライフスタイルセンターはワンセットである。
生活地の中心に「アーケードのないストリート」「界隈」
私が主張し続けてきたライフスタイルセンターである。
生活地からかけ離れた広域道路沿いのSCに取って付けられる
ものではない。
すでに20年も前からアメリカのカリフォルニアなどでは
模索されて来た生活地の商業空間であるが、LA郊外の
住宅地パサディナに「ワン・コロラド」「パセオ・コロラド」
アメリカでは成功者が街に帰ってきて、古く荒んだ街区や、
使われなくなった駅などをライフスタイル・センターとして
再開発、リモデリング、リノベーションすることが始まっていた。
また、アメリカでは税制の違いで資産家のスケールと寄付や
投資のできるスケールが大きいので、金とセンスのある人が
着目して再生できそうな街を安価で買い上げ、計画的に
ライフスタイル・センターを育て始めている。
1軒の美味いレストランからでも、カフェからでも、
映画館からでも、ギャラリーとアーティストのアトリエから
でもいい、かつてビビッドな歴史のあった街にあらたな歴史の
火をともすのである。
名門大学周辺界隈、校門前ストリートなども資産家が集中的に
レストラン、バー、インターネット・カフェ、映画館などを
オープンさせて,広い空地にパーキング、自然食マーケット、
住宅などを自主経営、資本導入などで発展させて行くのである。
広域モビリティーの急速進展で、日本では大切に育てれば
最高の空間が生まれたはずの駅前商店街、城下町界隈などの
歴史的な商環境をほとんど捨て去って来た。
街づくり三法などでも後押しするが、重要なのは
大手SCデベロッパーなどではない、ストリートや界隈形成に
ビジネスの情熱を感じられるオーナーが不可欠である。
今こそ、眠っている資金を
ライフスタイルセンター・デベロプメントに
注ぐべきであろう。