なんという不毛、なんという文化不在の都市
だから、いまハイパーリアル・ムービーが必要なんだ
日本の都市は外からも中からも音を立てて壊れている。都市だけではない。「さかなかみ」の主人
公白狼は幸いにも北限の干潟にイトウを見出せたが、北海道の自然破壊はイトウを最北まで追いつ
めたのである。
都市の再開発など轟音とともに進んでいるが、一見高度都市文明の成果のように見えるが、益々
人間の不在化がすすみ、商業のみならず、娯楽、エンターティンメント、クリエティブな文化が
凄い勢いで駆逐されている。
今日は、全身がぼろぼろになるほど疲れた日だ、私がCCC/TSUTAYAの増田オーナーに頼んで作って
もらった映画館はもはや映画学校に変わっていて、ここで自分の作品を上映させてもらうのだと熱
意をこめて創ったQ-AXシアターは試写会室となりスケールも半分以下になっていた。もう涙が出て
きた。
遠回りしすぎた映画青年は長い長い人生かけたロケハンの末にやっと上映してもいい映画を完成さ
せようとしている。
その時には理想的に創った映画館は無く、街中の小型の映画館の多くはスクリーンを外され、映写
機を取り去り、集会所、宴会場にかわっていた。東京はひときわ破壊が進んでいる。映画が出来て
も仲間に見せるところすら無い、なんという都市なんだ東京。
街ではI-Phoneにしか興味の無い若者がぶつかってくる。自分でぶつかりながら不愉快な死人のよう
な顔。行政が植えすぎた杉の花粉が跳び、PM2.5が滞り、ジワジワと放射能の恐怖が迫ってくる。
なんという文化不在の都市、なんという不毛!
どんどん人間関係は破壊され、再開発は現実とはかけ離れたスペースが上空に昇って行く。架空の
リートビジネスが音も無く蔓延り、何時の日か轟音を立てて崩れ落ちる。
映画「さかなかみ」は残酷な、汚れた都市文明は映さない。わずかに北海道に残った命だけを求め
てさすらう男の背中で多くのことを語りたい。このハイパーリアル・ムービーをどうしても見てほ
しい。見せる箱が無い。テレビではインチキ学者、少女の歌や踊り、お笑いのゲラゲラが蔓延って
いるだけ。なんという不毛・・・
是非、みなさんと日本の命を繋ぐ、私たちの命を確認しあう映画上映とトークイベンントとしたい。
私たちは生き物だ、生きているんだ、一人ではないんだ
We are every
where , Yes! we are every where!