パワフルな映像とメッセージに衝撃を受けました。
北海道の美しい自然を映した映像だけでも、日本そして全世界にむけて、
「これを失くしてはいけない!」と訴えられるだけの力強さがありますが、
その美しさに魅せられているうちに、あたかもそこにいま課題がなかったかの
ように錯覚を起こしてしまいがちなところ、リアルなダンサーたちの場面など
によって現実に引き戻される瞬間があり、とても刺激的でした。
中村博子 翻訳家
「これは新しい鉱脈の発見です。浜野君は間違いなく、膠着した日本映画会
に大きな流れを創りだしてくれると信じています」
南野梅雄 映画監督(浜野安宏の大学先輩)
過日はすごいものを観た!
森林の巨大樹、樹皮が盛り上がり、
水がしたたって
流れ落ちる
黒く,にぶく光るかたまりが
音にならない音の響きを発し
川、河が出て、さかなかみが
現れた、とおもった
すすきの原をどこまでも分け入り押し分けて歩む,その男の姿が
五十年以上前に江古田キャンパスで見た浜野安宏
もう映画を忘れた男にはあれこれ語る言葉は無い。
だから何も言うまいかたるまい。
ありがとう。
7月1日 浜野安宏様
水谷内助義 劇団青年座取締役
ついに姿を現した「さかなかみ」
旅人のノスタルジーと釣り人のロマンが交錯し、急速に失われてゆく野生への
想いと、生きとし生ける物への悲哀がタペストリーのように紡がれてゆく・・・
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さかなかみ
自分が浜野監督からこの言葉を聞いたのは、10年ほど前のことになる。
さかなかみ、サカナカミ、SAKANAKAMI・・・そのオドロオドロしい呪文のような言葉が、
妙に耳の底に残った。
20年近く、釣り人を撮影したり記事を書いたりしてきたが、釣りの技術が巧みであって
も、釣果がついてこないアングラーがいる。その一方で、不思議とヒットに恵まれる釣
り人がいる。ラッキーという言葉だけでは、言い尽くせない神秘。
そんなの迷信さ! と一笑に付してしまうのは簡単だが、サカナツリには理論や理屈を
超えた超常的な現象がしばしばつきまとう。何年通っても、納得のゆくサイズが釣れな
い、あるいはまったくヒットもないのが当たり前の、そんな極めて確立の低いイトウ釣
りで、立て続けにグッドサイズをヒットさせ、あまつさえその中にはメーターオーバー
の巨大魚も含まれていた・・・
映像取材チームの目の前で、そんな神がかり的なFISHINGを現実のものにしてみせる
浜野監督・・・そこには、やはり「さかなかみ」が降臨しているとしか思えない。
そんな超常現象のようなサカナカミは浜野大先生に任せ、こちらにはせめて尺岩魚、
尺山女くらいのヒットを恵んでくれる「小さなサカナカミ」なりと降臨してもらいたい
・・・試写会に足を運んだ中には、そんなことを思った釣り人も少なくないはずだ。
釣りテクニックのうまい釣り人は、ゴマンといるが、絵になる人はそうそういない。
自分は、昨年のFLYFISHER沖縄取材で浜野さんに密着取材を敢行した。スチールを撮りつ
つ、ビデオも撮った。それをプライベート版としてビデオクリップに編集してみたりした
が、実に絵になる釣り人である。こういう人は、日本では滅多にお目にかかれない。
「イトウ」のみならず、「ハマノ」も絶滅危惧種であるに違いない。
風雪にさらされ、太陽に焼かれて、時を刻んだ本当のモノだけが身にまとうオーラが、
映像にはしっかりと映り込む。役者としては素人である釣り人や出演者たちが、たどたど
しい演技の中で見せてゆく嘘でない世界。浜野監督は、これをハイパーリアリズムと呼ん
でいる。
ここでの主人公は、決して人間などではない。それはイトウの姿をかりて老釣り師の前に
現れた、森羅万象の宇宙に違いない。
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作品は思いのほかカジュアルなタッチで始まる。多少なりとも浜野さんを知る自分として
は、途中思わずニンマリしてしまうシーンもあったり、懐かしい釣り人、知り合いの釣り人
の友情出演もあったりして、途中までは割と気楽な感じで鑑賞していた。
本編がその真の姿を剥き出しにしてくるのは、後半である。
北海道の荒涼たる原野、汽水域でイトウと対峙する老釣り師のシーンに至り、映像はその
様相を変え、釣り人の内的世界と森羅万象の宇宙が響きあう。効果音にちかい不協和音BGMと
巧みに処理された暗い映像は、さながらリヒャルト・ワーグナーの「ニーベルングの指輪」
その最終章「神々の黄昏」を想起させる。
これはもう、映像・音楽監督ふるいち やすし氏の圧倒的な力であろう。
最後に流れる加藤登紀子さんの唄で、それまでの緊迫した暗い世界に一条の光が射し込み、
浜野監督のノスタルジーがほのかに漂う中で、この不思議な映像作品は幕を閉じる。
さかなかみ降臨@青山試写会 / 文:斎藤直樹
私が経験した、この映画に対する感動をどう表現して良いか迷っていた、
感激いまだ冷めずに残っています。あの感動の高まりはリバー ラン スルー イット
のように、釣りをしない人にも受け入れられると確信しています。
三十尾生彦
ライフスタイルプロデューサー浜野安宏さんの監督主演映画『さかなかみ』の試写会に
お邪魔しました。北海道でイトウを追い続けるフィッシャーマンの話。
「無知なポピュリスト、口先だけのエコロジスト(チラシより)」にはなりたくないので、
環境問題について言及せずに、個人的な感想を。まず、この映画の撮影にかかった時間を
想像し、子どもたちをもっと自然に触れさせたいな、と。釣りを教えられる親はかっこい
いね。
あと、行ったことがない場所のはずなのに、北海道の河川の風景を身近に感じました。
いつも見ている植生だからでしょうか。やっぱり子どもたちを連れて行きたい。
あー、北海道行きたくなるっしょ!
安田 琢
昨日は浜野安宏さん監督主演の「さかなかみ」の試写会にいってきました!
私も縁あって少しだけ映画に出演させていただいてます(^○^)ダンスなしですよ笑
生産、生産、生産と人間は生きやすい世の中にと必要以上のものを生産しすぎたの
だなということを改めて実感させられました。それは誰のせいでもなく私たちの知識
のなさが原因だったのです。上映前にあまり書きすぎるのもよくないので。
「さかなかみ」に選ばれた、北海道の景色は本当に絶景です。是非、スクリーンで
自然をそしてリアルを味わってください
長岡美紅
映画「さかなかみ」の特別上映会へ招待いただきありがとうございました。
都会の猥雑な空気をしばし忘れて北海道の大きな自然に抱かれた思いがしました。
浜野さんが挨拶でいわれたように、なかなか「イケてる」映画だったと思います。
藤岡比左志「地球の歩き方」編集本部
いのちあるものの尊さを改めて発見する。深い洞察、希望に満ちた作品。
アイヌの集落は川沿いにあり、漁撈が彼らの生活の中心を占めていた。湖沼に棲むという
イトウはめったに姿を見せないが、時に豊かな糧をもたらしながら、村人の前に神々しく
現れる。北海道の大自然を舞台とした浜野安宏の「さかなかみ」はイトウとの邂逅を通し
て自然と棲み分けていた頃の人々の感性を取り戻し、いのちあるものの尊さを改めて発見
する。深い洞察、そして希望に満ちた作品だ。
札幌上映会
京都上映会
東京上映会