私は都心にインナーモールを作ることに反対し続けてきた。六本木ヒルズも表参道ヒルズも街に裏を向けている時代遅れな開発だ。
自らを「ストリート派」と呼んできた。
ストリートから街や商業を見直そう。
人間の街路を復活させよう。
私はフロムファーストで表参道のトップストリート化のキッカケを創った。しかしながら、みゆき通りから表参道はいまフラグシップ・ストアの野心的かつ個性的建築によって自己崩壊しつつある。建築家も事業家も都市に存在させてもらっていると考えて、作法をわきまえてもらいたい。
福岡の「キャナルシティ博多」から始まって都心型モールは、当初から私が多くの問題をはらんでいると指摘し続けてきたにもかかわらず、六本木ヒルズ、汐留シオサイトなど増殖を続けている。最大の問題は都市の形成してきた時間を欺き、人間の街路をより豊かにするどころか、それらにお尻を向けてしまうのである。
地方でも、モール・ビジネスが既存の商店街を脅かせている。しかしながら、アメリカの先例から学ぶでもなく、モールビジネスの味気なさと、コンフォーミテイズムは自己崩壊を始めている。おそらく今年はモール全盛のリテール&エンターティンメントに大きな反省期が始まるだろう。
百貨店が総すくみの中でモールへの意欲を見せ始めたのは、行き場をなくしたSCとチェーンストアの当然の帰結であったが、欠所補充ではなく積極的に百貨店や専門店の中から、その可能性を求めてアクションを起こしてもらいたいものである。
都心居住への住宅供給が拡大する中で、いわゆる郊外型住宅地の空洞化が始まっている。青山、銀座など都心の商業はますます膨らみ、表参道、銀座、丸の内など、沿道がしっかりしていて、路面にファサードを持てる物件の評価は急拡大を続けている。
都心の総合プランニングをやり直し、作法を持って共生するストリートを創造し、育てる努力を始めて欲しい。
街づくり三法などにより、さらに都心帰りは激化するだろう。しかしもう日本型のGMSは自滅しつつあるし、開発力もインベントリー能力も無い百貨店は魅力を喪失してしまって、集客力はなくなっている。小さくとも自分の信じられるオリジナルや確信に満ちたセレクトのできる店舗に人が集まっている。大きいだけでは何も自慢にならないのである。









