私は久しぶりにビジネスアポイントメントもなく、フィッシングロッドをも持たないで、パリ、バルセロナ。さらにレンタカーを借りて1000キロ、プロバンス地方、コートダジュールをドライブで旅してきた。歩き回り、ドライブし続けた。たくさんの新鮮なイメージが見えた、ビジョンができた。
ガウディ建築は何度も観たくて果たせなかったが、終にゆっくりと見届けてきた。サクラダファミリア教会が未だ未完成で、建築中であったことはとても新鮮だったが、それよりもあの尖塔群のスカイラインよりも教会内の柱と天井のデザインがすばらしかった。感動で立ち尽くしたほどだった。
そして、グエル公園の今も多くの国の人に世代をこえて親しまれていることのものすごさを感じた。
ジャン・ヌーベルのデザインしたmuae'e de quai Branlyブランリー博物館にこれと同じぐらい新鮮な感動を覚えた。パリのエッフェル塔の近くにある。
もうコンクリートの打ちっぱなしも要らないし、テラテラのガラス細工も、うんざりしていたからこの建物との出会いは感激だった。パリ市民が、このミュージアムに賛同し、安藤忠雄のコンクリートを拒否した意味がよくわかる傑作だと思った。同じ建築家の仕事でも東京の電通ビルは綺麗だがそれ以上の感銘を受けなかった。
バルセロナにはガウディを越えるジァン・ヌーベルの建築がある。AGBARタワー、水道局の本社ビルである巨大なダブルスキンのガラスの塔である。シンプルだが圧倒的な存在感に打ちのめされそうになった。単純なダブルスキンではない。観るアングルによって壁面のカラーがまるで人間の皮膚のように変わるのである。生き物のようにすら感じる。もちろん堂々と男根のようでもある。
高層ビルを建てたい男の夢の実像なのかもしれない。移ろいなのかもしれない。
建築はもはや重いコンクリートの呪縛と、ガラスによる不在化から解き放たれて。次のステージに向かって欲しい。










